tennis2

□つっこんだら負け…
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ふぁーと大きな欠伸がでる。


「眠いのか?」


リョーマは手塚にコクンと頷くと目をこする。


「こら、こするんじゃない。なら先に帰るか?」


俺はまだ帰れないぞと手塚は続ける。リョーマは今度はイヤイヤと首を横にふりゴロンと手塚の膝に寝転んだ。


「寝るのか?」

「ん…」


しばらくするとすーと寝息が聞こえてきた。今は部室に2人きり。部誌を記入しながらリョーマの頭を撫でる。





するとそこへ…


「手塚〜!今竜崎先生から…」


ガチャっと扉を開け入って来た大石はプリントから顔を上げて手塚を見て固まった。
正確に言えば手塚の膝の上だが。

「どうかしたのか?大石」

「えっ!いや、あの…」


様子のおかしい大石を手塚は不思議に思うが気にせず話を進めることにした。



「それでどうした?竜崎先生が何か言われたのか?」

「えっ!あっそうそう。竜崎先生からこれ預かったんだ」


手塚の膝の上を気にしながらも手塚が話を進めてきたのでさっき持っていたプリントを差し出す。



その後もちらっちらっと手塚の膝を気にしながらも練習メニューなどについて話し合った。


「じゃあ、これで来週から進めてくか…」

「そうだな。あのさ…手塚、越前なんだが」

「そうだな。そろそろ起こさないとな」

「いや、そうじゃなくて…」


何だ?と言った感じで手塚に見られ大石はそれ以上何も言えなかった。

大石のことを気にすることなくリョーマを起こし始めた手塚の声は大石が今まで聞いたことがない甘い声で。


「はぁ…手塚、俺帰るな」

「そうか。お疲れ様」

「ああ」



大石は外に出て扉を閉めると大きなため息をつき胃をさすりながら帰っていったのだった。




つっこんだら負け…

(何も言わないのが1番)



end.

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