tennis novel

□♪Happy Valentine♪
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「出来た!! これなら日吉も食えるだろう」

「後はラッピングだね」


出来たチョコレート箱に詰め、リボンをかける。


「まっ、こんなもんだろ」


チョコレートはなんとか出来上がり、後はバレンタインデーである明日を待つのみだ。






「よっ、日吉。おはよう」

「えっ!!向日さん!どうしたんですか!?」


日吉が家を出ると門の前で岳人か待っていた。普段ほとんど表情が変わらない日吉もこれには流石に驚いた。とはいってもその変化は少しのことなので分かる人はほとんどいない。そんな小さな変化が分かる度に岳人はとても嬉しい。それだけ日吉と共に過ごしてきたということだから…。


「日吉、これやる」


その言葉と共に差し出された箱を日吉は受け取る。



「…………………!?」




「日吉…?やっぱいらないか…?」


反応のない日吉に岳人はやっぱり渡すべきではなかったかと不安になる。


「いります!!あんたから貰えるとは思ってなかったからびっくりしただけで…」


実は日吉は今日が何の日か分かっていなかった。朝食の時に母親からチョコレートを渡され、首を
傾げると母親は親切に教えてくれた。そして一言付け足されたのだった。

『岳人君からもらえるといいわね』


まさか…、本当に貰えるとは思わなかった…




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