駄文2

□君に届け
1ページ/1ページ

あいつを見なくなってから、もう一週間が経った。
そろそろあいつの事が頭から離れても良いはずなのに、離れるどころかこんなにも俺の心の中に住み着いている。
ぼんやりしていると、うっすらと俺を呼ぶ声がした。




「…代、十代!」

「お前………!」


どこからともなく碧い髪の男が俺の前に現れた。


「…お前、どこ行ってたんだよ………」

「十代には関係ないな
……あ、もしかして俺のこと心配してくれた?」


怒り…いや、曖昧でなんとも言えない感情が俺を襲ってきた。


「………………帰るぜ」

「え、ちょっ!帰るって何処に!」

「俺達の屋上に決まってるだろ」

「十代………!」


今の俺にはこれしか言えなかった。
そのかわり繋いだ手を放さないようにもう一度握りしめた。




君に届け
(俺の気持ちが伝わってると良いんだけどな)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ