駄文2
□君に届け
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あいつを見なくなってから、もう一週間が経った。
そろそろあいつの事が頭から離れても良いはずなのに、離れるどころかこんなにも俺の心の中に住み着いている。
ぼんやりしていると、うっすらと俺を呼ぶ声がした。
「…代、十代!」
「お前………!」
どこからともなく碧い髪の男が俺の前に現れた。
「…お前、どこ行ってたんだよ………」
「十代には関係ないな
……あ、もしかして俺のこと心配してくれた?」
怒り…いや、曖昧でなんとも言えない感情が俺を襲ってきた。
「………………帰るぜ」
「え、ちょっ!帰るって何処に!」
「俺達の屋上に決まってるだろ」
「十代………!」
今の俺にはこれしか言えなかった。
そのかわり繋いだ手を放さないようにもう一度握りしめた。
君に届け
(俺の気持ちが伝わってると良いんだけどな)