駄文2

□出会いは突然
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いつものように屋上へと続く階段を駆け上がり、ドアを引いたら珍しく先客がいた。
俺と同い年くらいの見たこともない碧い髪の少年が。転校生だろうか…
仮に転校生だとしても、転校初日からこんな所に居て良いはずがない。
ましてや、俺みたいな奴と関わらない方が良いに決まってると思った俺は、彼の存在を無視するかのように寝転がった。


「初めまして、だな」

「…!………どうも…」


予想外と言うべきか、予想通りと言うべきか向こうから話しかけてきた。
少し動揺したことで予想外だったと言うべきだろう。


「俺はヨハン・アンデルセン。
君、遊城十代だよな?」

「…そうだけど」


(何でこいつ、俺の名前知ってるんだよ…
俺そんなに目立つこと最近してねーぜ。
………さては昨日、他校の奴らボコしてたの見られてたか…?)

考えれば考える程、それなりに思い当たる節がありすぎる。


「…ははっ、何で俺が名前知ってるのかって聞きたいんだろ?
十代、俺は君のことをずっと見てた。ずっと、こうして二人きりで話したかったんだ」

「ずっと見てた割には、俺はお前のこと初めて見たぜ?
ぶっちゃけ転校生かと思った」


皮肉な言葉が俺の口から出た。
勿論、わざとだ。今の俺から遠ざける為に。
俺の性格の悪さを思い知らせる為と、こういうタイプは虐め倒したくなるからだ。


「相変わらず、キツイな;
でも、俺は十代のそんなとこが気に入ったんだぜ?」

「は?そんな初対面な相手と仲良くできるほど俺は軽くねぇし。」


(コイツ、何考えてんだ?
いきなり話しかけてきて、迷惑な奴…)


「何言ってるんだ十代?
言っとくけど、俺も明日からここでサボらせてもらうからなv」




出会いは突然
(うぜぇ…………!)
 

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