Animal×Half(オリジ小説)
□9.『三人での戦い』
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出てきたのは、大樹の魔物。
見た目は7〜8m位はありそうな大きな木。
地中から出ている根っこで自由に動き回れるみたい。
手という感じの枝がついている。
「トレント、か。」
キーラが呟く。
「ね、何なの?この魔物?」
僕はキーラに尋ねる。
「あぁ。トレントは見ての通り木の魔物。普段は大人しくて人を襲うことは無いはずなんだがなー…」
キーラがそこまで言うと、トレントが僕にいきなり攻撃してきた。
その巨大に似合わぬ素早い動きで、いきなり殴りかかってきたのだ。
「うわぁっ!?」
僕は咄嗟にしゃがみ、トレントの腕(というか枝)をやりすごした。
あ、あんなの喰らったらヤバイよ
「大丈夫か!?とにかく、倒すぜ!」
「うん、了解!」
ダイの言葉に頷く。
僕は精神を集中させる。
因みに、陣形はダイとキーラが前衛、僕が後衛、という感じだ。
「うらぁっ!喰らえ!」
キーラがトレントの懐に飛び込み、鋭い蹴りを放つ。
…が。
僅かに幹の部分を削っただけで、大したダメージにはなってないみたい。
『グオォッ!』/「やべっ…!」
逆に、技の直後の隙を突かれて枝のパンチを喰らいそうになる。
―が。
「させねぇ!」
ザンッ!/ボトッ…
ダイがトレントの腕を切り落としていた。
「サンキュー!」/「気にするな、次来るぜ!」
やった、と思ったのも束の間。トレントは根っこを鞭のようにしてキーラとダイを打ちのめそうとしてきた。
「させない!水よ…集まりて我等が盾となれ、シールド!」
僕は急いで呪文を発動させた。
ダイとキーラを守る様に半円球状の水の膜が展開される。
ガキィン!
水の盾によってトレントの攻撃は防がれ、更にトレントは大きくバランスを崩す。
その隙を逃す二人では無かった。