Animal×Half(オリジ小説)
□10.『野宿』
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どれぐらい歩き続けたかな…?
辺りは茜色に染まっている。
昼前にリブナを出て、それからずっと歩いてるから…。
大体5〜6時間位かな?
と、そんな事を考えていると、前を進んでいたキーラが振り向き、僕とダイに言う。
「さってと…。今日はここら辺で野宿にすっか。」
「え?でも、もうすぐクリクでしょ?」
「そうなんだが…ここら辺、夜に歩き回ると危険なんだよ。」
「危険って…何が?」
さっきから聞いてばっかだな、自分
「ん〜…たまに、だけど滅茶苦茶強い魔物が出るんだよな。」
「へっ、魔物なんか俺がぶったぎる!」
「…例え霊体でもか?」
『…え?』
キーラの言葉に、僕とダイの声がハモる。
「レイス、っていう魔物が出てくるんだよ。旅の途中で死んだ旅人の集合思念体ってヤツ?。で、魔法しか効かねぇんだよ。それでもダイ、お前は切れるのか?」
「うっ…」
「まぁ、大人しくしておきゃ襲ってはこねーからさ。だから、ここで野宿。どうだ?」
今、この中で魔法が使えるのは僕だけ。
更に、僕の魔法でも攻撃となり得るのは、「アクアボール」だけ。実はこの魔法、かなり威力が低い事が今までの中で判明している。
こんな悪条件が重なったため…
「…そうだね。テントも携帯コンロもあるし、野宿しよっか。」
僕はレイスの事も危険だし、と思ったからキーラの提案に乗っかった。
「…ま、仕方ねぇか。」
ダイもふぅ、とため息をつきながら言う。
「じゃ、俺とダイでテント立てっから、ワタルは夕飯の準備を頼むな?」
「うん、了解!」
こうして僕達は二手に別れて準備を始めた。