Animal×Half(オリジ小説)
□9.『三人での戦い』
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朝からちょっと騒がしかったけど、何とか準備をし終わった僕達三人は、リブナを出た。
「…ところでワタルは本当に武器使わねーのか?」
リブナを出てすぐ、キーラが僕に尋ねてきた。
「うん。だって僕、力無いし…さ。」
僕は苦笑いでそう答える。
「でもさ、ワタルの精神力も『無限』っつー訳じゃねーだろ?だったら何か武器持ってねーと…だぞ。」
「確かにそうなんだよね〜」
ひっきりなしに魔物が襲ってくるこの世界では、キーラの言う通り、例え弱くとも直接攻撃の手段も持ってないと凄く危険だ。
精神力が尽きてしまうと魔法が使えず、逃げる以外に何も出来ないから。
「…まぁ、それはおいおい考えるよ。」
「そうだな。とりあえず、それまでは俺が盾になるから安心しろ。」
ダイが僕を安心させるかのように、頭を撫でる。ダイってば…良く僕の頭撫でるよなぁ…。
でも、それがなんか凄く心地よかった。
「…大丈夫、『二人で頑張る』って決めたしね!守られてばかりじゃいられないよ!」
僕はニコッ、と笑ってダイに言う。
「そうだったな…頼りにしてるぜ、ワタル。」
ダイは目を細め、そう言う。
「っだぁ!そこ!二人の世界に入るんじゃねぇよ!」
と、キーラが僕とダイの間に割って入る。
「あ…ごめん別に入ってたつもりは無かったんだけど…」
「嫉妬は見苦しいぜ?キーラ。」
謝る僕に、不敵に笑うダイ。
「ったく………来るぜ。」
「あぁ。分かってる。」
「え?な、何?」
キーラがいきなり真面目な顔になり、ダイもそれに答える。
…で、分かってないのは、僕だけみたい。
「ねぇ、何が「こっちだ、ワタル!」
「う、うわぁっ!?」
ダイは僕を抱き寄せ、キーラと共にその場から離れる。―と。
―ボゴォッ!ボゴォッ!ボゴォッ!
地面から、鋭い木の根が現れ…
『……グオォォ…!!』
…何か、出てきました