Animal×Half(オリジ小説)
□6.『大地を駆ける吹き荒ぶ風』
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…
…
…む〜…眠れない…。
僕は再びゴロンと寝返りをうった。
シズさんから盗賊団の話を聞いた後、すぐに部屋に行って休む事にしたんだけど…
…なんか、眠れない。
いや、疲れてはいるんだけど…
何と言うか、昨日みたいに眠れる疲れじゃないんだよねぇ…。
ふと時計を見ると、既に夜中の3時を過ぎていた。
うっわ、マズイでしょ、これ
いい加減寝ないと…
でも、気持ちが焦れば焦るほど、目を閉じようが羊を数えようが眠気は訪れない。
…仕方ない。
僕は起き上がり、ダイを起こさないように慎重にドアの所へ行った。
カチャリ、と鍵を開け、こっそり部屋の外へ。
「うっわぁ…満天の星!」
僕は宿の入り口に出てきていた。
眠れない時は、こうやって外の空気を吸って、ゆっくりする。
これが、僕の快眠法♪
「キレイだな〜…。」
僕は星に心を奪われていた。
だってさ。現実世界では滅多にこんなキレイな星、見れないもん!
…?
僕はふと回りを見回す。
いや…今なんか…
…誰かに見られてたような気がするんだけどなぁ…?
ま、気のせいだよね。
って思った瞬間。
ビュオオォオォ…/「うっわ!?」
瞬間的に強い風が吹き、思わず目を瞑ってしまった。
「ふぇ〜…強い風だった…な…ぁ。」
言いながら目を開けた僕は、固まってしまった。
なぜって?
なぜなら…目を開けた、その前には…
見知らぬ青年が立っていたからだ。