Animal×Half(オリジ小説)
□1.『始まりの日』
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「…はい。それでは皆さん、冬休み中風邪などひかないように気をつけて。それでは。」
…っはぁ〜!やっと担任の話終わったよ。
何で教師って無駄に話長いんだろうなぁ…
あ、僕の名前は、海野 航(うみの わたる)。普通の進学高校に通う、普通の高校三年生だ。
やっとこさ冬期講習も終わり、今日から冬休みに入る。
で、さっきまで帰りのHRで担任の「冬休みの注意」を聞いてたんだ。
担任の話が終わり、周りの皆が一斉に帰りだしたので、僕もカバンを持って立ち上がる。
…と。
「オイ、チビ!」
…。
…後ろから声をかけられたんだけど、振り向くまでもない。
僕をこう呼ぶのは、一人しかいないから。
「もう…テル!そうやって呼ぶな、って何回言えばわかるのさ!」
振り向きながらそう言う。そこには想像通りの顔があった。
僕より背が頭いっこ半位高くて、目は鋭いけど優しい。ツンツン髪のオールバックなんだけど、野球部で、いかにも「体育系!」って感じの体つきをした友人…いや、幼なじみ兼親友の照屋 翔(てるや しょう)。
僕は、「テル」って呼んでる。
「ん?俺は事実を言ってるまでだぜ〜?」
「だ、か、ら!事実でも止めろ、っつってんの!」
そりゃあ、テルは背高いし、僕は…自分で言うのもなんだけど、チビなんだけどさ…;
「…はいはい。わーったよ、ワタル。」
「そうそう♪…で、何の用?」
僕とテルの家は、幼なじみだけあってかなり近い。実際、よく僕の家で二人で勉強会してるし(ま、まぁ実際は遊んでる時間の方が長いけどさ;)。
だから普段は、用があっても家の方まで来るはずなんだけど…。
「お、そうだった。その事なんだけどさ…」