☆趣味小説(バテン)☆
□『バカボン社長と苦労人秘書』
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ザアァァア――…
暗い路地裏で息を吐く。
青い髪から水滴を垂らし、青年はびしょびしょになった雑誌のページを捲った。
様々な企業の会社の写真が載っている。カタログの様な雑誌。
青い髪の青年の意識があるページで止まった。
空からは雨が、落ちてくる。
―…人生が変わる日…―
「…で、お前はこの会社で何がしたいんだ?」
金髪の面接官が青い髪の青年に聞く。
部屋には三人の面接官と、青年の他に赤い髪の好青年。
赤い髪の好青年は…確かリュードと言ったか。
自分と同じで、働き先にこの会社を選んだらしい。
「…何って…俺は金貰えりゃ十分だ。」
青い髪の青年は堂々と言う。
「…………お前、カラスって言ったか?真面目に答えろ。」
「真面目に金貰えりゃ十分だ。」
「…………。」
三人の面接官はお互いに顔を見合わせるとため息を吐いた。
「よろしい…下がってくれ。」
青い髪の、カラスは不機嫌そうに席を立つ。
リュードと言う好青年が、すれ違い様カラスに囁く。
「一緒に合格出来たらいいですね。」
「………。」
その言葉を心の中で否定しながら、カラスは部屋を出た。