☆趣味小説(バテン)☆

□『バカボン社長と苦労人秘書』
1ページ/7ページ



ザアァァア――…


暗い路地裏で息を吐く。

青い髪から水滴を垂らし、青年はびしょびしょになった雑誌のページを捲った。
様々な企業の会社の写真が載っている。カタログの様な雑誌。

青い髪の青年の意識があるページで止まった。

空からは雨が、落ちてくる。





―…人生が変わる日…―





「…で、お前はこの会社で何がしたいんだ?」

金髪の面接官が青い髪の青年に聞く。
部屋には三人の面接官と、青年の他に赤い髪の好青年。

赤い髪の好青年は…確かリュードと言ったか。

自分と同じで、働き先にこの会社を選んだらしい。

「…何って…俺は金貰えりゃ十分だ。」

青い髪の青年は堂々と言う。

「…………お前、カラスって言ったか?真面目に答えろ。」

「真面目に金貰えりゃ十分だ。」

「…………。」

三人の面接官はお互いに顔を見合わせるとため息を吐いた。

「よろしい…下がってくれ。」

青い髪の、カラスは不機嫌そうに席を立つ。
リュードと言う好青年が、すれ違い様カラスに囁く。

「一緒に合格出来たらいいですね。」

「………。」

その言葉を心の中で否定しながら、カラスは部屋を出た。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ