新八受け

□defend you
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「はぁはぁはぁ」

攘夷戦争が始まって、早三週間。
仲間の半分以上が死んだ。
生き残っている奴らも、生きているのか死んでるのかわからないような顔をしている。

「俺もそうか…」

戦っている間、たくさんの仲間が死んでいく姿を見た。
俺は国なんか関係なく、この仲間を守る為に戦っていた。
でも、俺は守れているのか?
みんな俺の目の前で死んでいく。
俺は何も、守れてない。
自分一人生き残るのにさえ必死な俺に、一体何が守れるんだ……?


defend you


昨日から敵からの攻撃がなくなってしまった。

これで戦いが終わったかと思ったら、どうやら戦場の場所が変わったらしい。

今まで港街に来た奴らと戦っていたが、気付かない所で天人は上陸しており、内側から攻めようとしているらしい。
目的地は江戸。

「狙いは幕府か…」
「とりあえず城下町に上ろう。敵は郊外で抑える」
「あぁ」

重たい体を持ち上げて立ち上がると、体からは自分のではない血の塊が地面に落ちた。

「俺も、天人と同じようなもんじゃねぇかよ」

虚しさを抱えながら、俺は江戸の城下町、歌舞伎町へと向かった。
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