新八受け

□空に飴玉
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「やるよ、これ」
「!!!!」


空に飴玉


「んー」

あとちょっと……

「ンムー」

あと少し……

「ハァ、無理。とどかないよ」



ぶつかった。
そして、落としてしまった。

行方を捜すとなんと、窓の外の木に引っ掛かっていた。
一階ならともかく、ここは三階。
下から登ることもできなければ、ここから跳び移ることももちろんできない。

「なんで外に行っちゃったかなー」

窓の外を見ると木に引っ掛かった熊のキーホルダーがあった。

先生にもらったものなのに………。

外は小雨で、熊のぬいぐるみは、少し汚れてしまっていた。

「大丈夫。あの距離なら手を伸ばせばとどくはず」

自分で自分を励まして、もう一度手を伸ばす。

とどけ!とどけ!

とどけ!!!!

「あ!」

とどいた。

手がキーホルダーを掴んだ。

よかった……

安心した瞬間、眼鏡がズレ下がるのを感じ、キーホルダーを持った手で眼鏡を押さえる。

その時、窓から半分以上乗り出した体はバランスを無くして、ふらりっと窓の外に出てしまった。

「うわっ!!!!!」

落ちる!!!

熊のキーホルダーをギュッと握り絞めた。
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