Long
□8月11日
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姉上に黙って家を出た。
学校に黙って欠席した。
全ては、高杉くんと約束したから。
8月11日
Sside
「高杉くん」
「おぉ新八ィ」
いつもと違って私服の高杉くんは、高校生には見えないぐらい大人っぽかった。
でも、今日も僕のあげたネックレスがついていて安心した。
「なんで時間より早く来てんだよ」
「予定の時間より早く行くのは常識ですよ。でも高杉くんも時間ぴったりです」
「あたりめぇだろ」
今の時間は朝の8時。
もちろん、学校では授業があっている。
いわゆるサボりだ。
「高杉くん、どこ行きますか?」
「飯食いに行く」
「そう思って、僕も朝ご飯抜いてきました」
僕が笑うと、高杉くんは小さく笑った。
「明日、学校サボれよ」
昨日の帰り道、高杉くんが言った。
どうしてですか?と聞くと、
「今日あんまし一緒にいれなかった分、明日で取り返すんだよ」
といつもの悪そうな笑みを浮かべながらそう言った。
「んで、お前の誕生日になったら速攻プレゼントやるよ」
高杉くんの直球のようで変化球の言葉に返事返ができなくって僕が頷いたら、高杉くんは僕の頭をガシガシと撫でてくれた。