ベーコン・レタス(B・L)
□傘
1ページ/2ページ
「あ、雨?」
俺、黒埼一護は教室から外を見た。
もう下校時刻だってのに、今日に限って傘が無い。
「何だ、黒崎。傘持ってないのか?」
くいっ、と見下すように石田が眼鏡を上げた。
「何だよ、石田。」
「なんでもないさ。ただ、無様だと思っただけだよ。」
石田が言い終わると、ピカッと外から光が入ってきて、ゴロゴロッ!と、大きな音が鳴る。
・・・雷だ。
石田は俺を馬鹿にしたように笑った。
「へっ・・・!!走って帰るよ。これくらい、俺にはどうってことねーし。」
「・・・風邪ひくぞ?」
「こんなことで、風邪ひくかよ。」
俺がそういうと、石田は顔をしかめ、言った。
「傘、貸そうか?」