夢小説
□バレンタイン前
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「一護ー。もう少しでバレンタインだぞー。」
「石田さんに頼まなくていいの?」
啓吾と水色が一護につめよる。
それは、私が数えても十回以上続いている会話。
そしてそれを、私は後ろの席で盗み聞きしている。
だってさ、雨竜のチョコは私が貰うだけで十分。
他の誰にも渡さないのさ!!
「るせーな!俺がそんなこと・・・言えるわけ・・・ねーだろ・・・。」
どんどん小さくなる一護の声。
この調子じゃ、私の敵ではない。
「雨竜♪」
「あ、サユさん。」
私は裁縫をしている雨竜に声をかける。
すごい器用なんだから。
今度何か作ってもらわなくちゃ。
「いい加減さん付けはやめてよね。それより、バレンタインチョコ、私以外に絶対あげないでね?」
「え?」
ぽかーんとした顔で私を見ている。
私は、一護が聞いているのを確認してから話し始める。
「誰であってもだよ。チョコを貰うは私一人で十分。」
「そんなに不味いかな・・・?」
「そーゆー事じゃなくってね?雨竜のチョコは美味しいし。」
「じゃあ、どういうこと?」
かわいらしく首をかしげる。
ヤバイ・・・
鼻血出そう・・・
「雨竜は私のものだから!!」
「ええぇぇぇぇぇぇぇ!?」
雨竜が驚いた。
一護が立ち上がった。
「さっきから聞いていればよ、何言ってんだ、サユは!!」
「あら、意気地なし一護君。雨竜は私のものなの!」
「ふざけんな!石田は俺のなんだよ!!」
「いいや、私のだよ!!」
火花飛び交うその真ん中で、雨竜があたふたしている。
ああ、かわいい!!
「てめーら黙れ!!」
後からたつきの鉄拳がおそう。
いってーー
「だ・・・大丈夫?」
「・・・うん。」
至近距離雨竜!!
かぁいい・・・!!
「えっと・・・チョコは、サユだけにあげる予定だから・・・」
耳まで真っ赤になった雨竜が言う。
ああ、限界・・・
「サユ!?」
私は、鼻血と鉄拳のせいで、保健室送りとなった。
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