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□この空の下で
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「お前、名前は?」
「……一護」
だが少なくとも悪い人ではない。
一護の命を狙うとしたら、とっくのとうに動いているだろう。
そして標的の名を知らない暗殺者というのもいないはずだ。
「一護、か……。いい霊圧だ」
見た目は少し無愛想で怖いが、根はいい人なのかもしれない。
一護の頭に手を置き、わしゃわしゃと不器用に撫でる。
「わっ」
「それに……おもしろい。気に入った」
「……?」
手が離れ、一護は少年を見上げた。
「俺は翼だ。……もし、俺のことを覚えていたら、再会した時に力を貸そう。俺の名を覚えていることが契約の条件だからな……」
そう言って翼は再び堂の奥へと戻っていった。
「あ……!待って!」
一護が暗闇に消えていった翼を追いかけようとしたところで、堂の入り口から一心が飛び込んできた。
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