風吹き抜ける大地
□砂漠からの来訪者
4ページ/226ページ
ミレイに声をかけたのは緑色の髪の少年。
その後ろには12、3の少女が控えている。
その隣には赤毛の長髪の青年が面倒臭そうな顔をしていた。
その後ろには長い栗色の髪の女性に、金髪のショートヘアの女性、さらに金髪の青年に、眼鏡の男性。おまけに青い小さな小動物。
ミレイは首を傾げた。
家族には見えない。
かと言って同士、とか仲間、とかいうのとも違う気がする。
むしろギスギスした空気だ。
「女性1人では危険じゃありませんか?」
「おい、別にこんな奴いーだろ?さっさと行こうぜ」
赤髪の青年の発言にムッとするミレイ。
だがミレイが言うよりも早く、眼鏡の男性が前に出た。
「あなたはここで何を?」
「えっと……旅を、してます」
探るような目に、居心地の悪さを感じる。
「1人で?」
「いえ……」
思わずレオがいるはずの斜面の上を見るが、そこには誰もいなかった。
ジェイドもミレイの視線を追うが、何も見つけられない。
「連れが1人いるんだけど……」
「あなたを置いて?こんな魔物のうろついている峠なのにですか?」
「道を確認しに行っていただけだが。それに魔物はもうこの辺りにはいない」
道の先からレオが歩いてくる。
.