風吹き抜ける大地

□砂漠からの来訪者
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散り散りに逃げていく魔物達。

「さっすがレオね」

安堵して、ミレイはレオを見上げる。

だがその表情が曇った。

「レオ……?」

「……奴らに知性はない。ただ、食欲のみで動いていた」

レオの顔色が悪い。

「あんまり、するもんじゃないな。ポケモンとは違いすぎる……」

「ちょっと、大丈夫?」

「……あいつらの気に中てられただけだ。安心しろ、動けないほどじゃない」

「でも……!」

青ざめてはいるもののレオの足取りはしっかりしていた。

「……ともかく、どこかへ行こうにも道が分からんしな」

ここはどこかの峠らしい、というのは分かるが。

「ここ、どこなの?」

「……異世界だ」

「え?」

突拍子もないことを言われ、ミレイは思わず声を上げた。

「恐らくは、オールドラント。あの音譜帯があるからな」

「……マジ?」

「マジ」

レオが冗談を言うとも思えなく、ミレイは信じるしかなかった。

見たこともない生き物が証拠とも言える。

「まずは町を探すか……。ちょっと待ってろ」

レオは道をはずれ、険しい崖のような斜面を軽々と登っていく。

ただミレイはぽつんと待っているだけになった。

「……暇」

ディアもニュイもいない。


「こんな所に人とは珍しいですね」

声を掛けられるまでミレイはやって来た一行に気付かなかった。







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