風吹き抜ける大地

□砂漠からの来訪者
2ページ/226ページ

第1話




「……レオ、状況説明よろしく」

早々に考えを放棄したミレイの態度にレオは溜め息をつく。


レオも少なからず動揺していた。


いくら昔読んだ本にその知識があろうとも、認めたくないことなのだ。


「…………」

「あ、珍しくレオが現実逃避してる〜!」

遠い目をして空を見上げるレオをはやし立てるミレイ。

「この状況だとしたくなるさ」

「だからちゃんと私にも説明してってば」

レオは再び嘆息し、周囲を見渡した。


この、見たこともない生き物……文献で見た魔物、又はモンスターという生物がぐるりとレオとミレイを囲んでいる。


ディアやニュイ達ポケモンはいない。

はぐれてしまった。

シンクロが届かないほど遠い場所にいるのか、そもそもこの世界にいないのか……レオには分からない。

この世界にはいないことを願うのみだ。


「何なのあいつら?あんなポケモン見たことないんだけど」

「ポケモンじゃない」

「え?」

「……後で説明する」

ゆっくりとレオは息を吐く。

それから魔物達をぐるりと見回し、睨みつけた。


「どけ」


レオのひとことに魔物達が射竦められる。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ