風吹き抜ける大地
□砂漠からの来訪者
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第1話
「……レオ、状況説明よろしく」
早々に考えを放棄したミレイの態度にレオは溜め息をつく。
レオも少なからず動揺していた。
いくら昔読んだ本にその知識があろうとも、認めたくないことなのだ。
「…………」
「あ、珍しくレオが現実逃避してる〜!」
遠い目をして空を見上げるレオをはやし立てるミレイ。
「この状況だとしたくなるさ」
「だからちゃんと私にも説明してってば」
レオは再び嘆息し、周囲を見渡した。
この、見たこともない生き物……文献で見た魔物、又はモンスターという生物がぐるりとレオとミレイを囲んでいる。
ディアやニュイ達ポケモンはいない。
はぐれてしまった。
シンクロが届かないほど遠い場所にいるのか、そもそもこの世界にいないのか……レオには分からない。
この世界にはいないことを願うのみだ。
「何なのあいつら?あんなポケモン見たことないんだけど」
「ポケモンじゃない」
「え?」
「……後で説明する」
ゆっくりとレオは息を吐く。
それから魔物達をぐるりと見回し、睨みつけた。
「どけ」
レオのひとことに魔物達が射竦められる。
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