空に消える夢

□未来を託す者、託される者
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「……どうだ、シャーリィ」

海に祈っていたシャーリィが顔を上げる。

「グリューネさんは、光跡翼です」

「光跡翼……?」

「じゃあ、セネルは?」

ステラの言葉にシャーリィは首を振った。

「……分かりません」

「どういうことだ?」

ウィルがさらに問い詰める。

「滄我は教えてくれませんでした」

「教えてくれないんじゃなくて、教えられないんじゃないんですか?」

「つまり、滄我でも分からないということか?」

「グリューネさんの居場所を教えて、セネルさんの居場所を教えないという意味が分かりませんから」

「なら、クーリッジはどこに……」

「……セネルのことだから大丈夫だと思うけど……」

「ったく寝坊助のセネセネがどこに行ったんだろ……」

「セの字のことじゃ、街のどっかで寝てると思うたんじゃが……」

「……仕方あるまい。居場所の分かっているグリューネさんの所だけでも行くか」

「でも、あのシュヴァルツという人もいるでしょうね」

「覚悟が必要だな」

シュヴァルツの事を思い出し、クロエが二の腕を擦る。

「悩んでても仕方ないわ。行きましょ!」

ステラが皆を鼓舞した。






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