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□未来時代
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両親が共働きのため、夕食のほとんどはコンビニ弁当。
10歳の子供だけで台所に立つわけにはいかなかった。
もちろん火事にするなんてヘマをするつもりはないのだが。
ネットゲームをするためにペットボトルの飲み物と菓子の入ったビニール袋を片手に、三崎亮少年は家路を歩く。
そこに黒い毛玉が転がってきた。
違った。
毛玉ではなく子供だ。
見た目は5歳くらいだろうか。牛柄の服を着て、牛のような飾りの角をつけている。
「なんかいい匂いするもんね〜」
子供は亮の持つビニール袋に興味を持った。
「ねぇねぇ、このランボさんにお菓子を恵ませてあげてもいいんだよ?」
やけに偉そうな子供だ。
「……欲しいの?」
「い、いらないもんね!ただ、いらないならランボさんがもらってやってもいいんだぞ」
子供……ランボを無償に蹴りたくなった。
だが、あくまでも優等生である亮がそうしたくても出来るはずがない。
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