□白銀と焔
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ND2017


白銀の賢者、オールドランドの地に降り立つ。

其は未来と運命を捻じ曲げる存在となるであろう。










気付いたら異世界だったという体験は1度だけで充分だ。



               ・・
セネル・クーリッジ自身は人より少々歴史に詳しく、他の人よりかは腕が立つという程度にしか認識していない。


普通異世界に飛ばされるという経験は人生で1度もないはずだ。


なのにどうして2度も異世界に飛ばされなければならないのだろうか。


「……はぁ」

溜め息の1つや2つは漏らしたくなる。

「どーしてお前がいるんだよ」

「こっちだって聞きたいさ」

目の前には赤毛の青年。


名をルーク・フォン・ファブレ。


セネルと同じく異世界に飛ばされた仲間だ。

「おーいティア、起きろ〜」

いい加減にルークはこの場にいるもう1人のメンバー、ティア・グランツを起こしにかかる。

「……う……」

小さく呻いてティアは体を起こした。

「おい、大丈夫か?」

「ええ……。どうやら、オールドランドに戻れたようね……」

空に浮かぶ音譜帯を見上げた。





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