風吹き抜ける大地

□鋼鉄島での出来事
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「レオ、どうしたの急に?」

ミレイはレオの顔を覗き見る。

急にレオが「鋼鉄島に行きたい」と言い出したのだ。

鋼鉄島はシンオウ地方の西側に位置する島。

別に観光名所となるような物もなく、用がなければそのまま通らずに行ってしまう場所。

そんな場所になんでレオが行きたいと言い出したのか、ミレイには分からない。



水上モードとなり海の上を走るようになったバイクで、レオとミレイは鋼鉄島に着いた。

「やはりな……」

「え?」

「おかしい」

そう言われてもミレイには分からない。

だが、レオの顔色が悪いということは分かった。

「レオ、調子悪いの?まさか発作が……!」

「いや、それは関係無い」

慌てるミレイを制し、レオはディアとニュイを出した。

『……何なの、ここ……』

『気分悪……』

2匹も顔をしかめる。

「え、どういう事?」

「この島から怪音波が流れている」

「怪音波?」

耳を澄ませても、ミレイには何も聞こえない。

「聞こえないのも無理はない。普通の人間には聞こえないな」

「じゃあポケモン達にだけ聞こえるってこと?」

『それも特定のタイプにだけだね』

『私達も影響受けちゃうみたいだけど、この程度なら大丈夫よ』

「そんな……。でも、どうして……?」

「それを調べるために来たんだ。行くぞ」

そう言ってレオは歩き出した。

「行くってどこへ!?」

「まずはポケモンセンターに行ってバイクを停める。調査はそれからだ」

顔色は悪いが、足取りはしっかりしていた。







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