風吹き抜ける大地
□拍手置き場
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「やっぱ食欲の秋だよね!」
ミレイは手を組んで目を輝かせた。
「お芋や栗、柿、葡萄……おいしいものが沢山!」
「太るぞ」
レオの冷たい一言に、ミレイは固まった。
「読書で充分じゃないか」
そう言うレオは本から目を離さずにページを捲る。
「私、本嫌いだもん!」
「威張って言うことじゃない」
「なら……!食欲の後はスポーツの秋って事で!」
それなら問題は無いだろう。
「て事でレオも運動しようよ!」
「運動なら常にしているが。鍛えてないとやってけないからな」
「あーそーいうんじゃなくてさ……。皆で楽しくワイワイやるようなのは……?」
トレーニングの目的で運動はしているが、楽しむという名目でした事は無い。
「……いや、無理だな」
「どーして?」
「身体能力が違いすぎる」
元々の身体能力が高いレオは、どんな種目でも手を抜いても簡単に勝ててしまう。
「つまんないだろ?そんなの」
するとミレイは笑みを浮かべた。
「要はやる事に意義があるのよ!楽しければOK!」
「そんなもんか?」
「そうよ!」
「だからって俺は大食いはしないからな」
「うるさいわね!」
ミレイは赤くなって叫んだ。
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