星の煌き

□ある日の学校帰り
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放課後のゲームセンターは学生の溜まり場となる。


「見てよ昶!俺すごくね!?」

レースゲームでハイスコアをたたき出した賢吾が振り返って昶を見た。

しかしそこに昶の姿はない。

「あれ?昶は?」

「あっち」

代わりにいたネクがシューティングゲームの方を指差す。

「これ難しいコースって評判なんだぜ!?せっかくレコード塗り替えたのによ……」

昶が賢吾を無視するのはいつものことだろう、という言葉をネクは飲み込んだ。

「……それより、コンティニューするのか?」

「おっと」

慌てて賢吾は画面と向き直る。

コンティニューはせず、賢吾はシートから飛び降りた。

「あっちも終わったみたいだな」

丁度昶もワンゲーム終えたらしい。

やはりハイスコアだ。

「すっげー昶!うわー1位じゃん!さすがだな!」

「美景だからな」

「ゲームに顔カンケーないだろ!」

ゲームセンターの騒がしさに負けないくらい賑やかだ。

あからさまに昶は溜め息をつく。

「そんな事より、ネクはやんねーのか?」

「……そんじゃ、やるか」

ゲームの類が嫌いなわけではない。

だがシューティングはどうしても本物の銃とは勝手が違いすぎる。

まだレースか格ゲーの方がマシだろう。

それよりも1番いいのは音ゲーだが。

「昶もやるか?」

「……そうだな」

ネクは周囲を見回し、目当ての音ゲーを探す。


9つのカラフルなボタンを使うやつだ。


コインを入れ、ゲームをスタートさせる。

「あ〜いいな〜、俺にもやらせて」

「気が向いたらな」

「ひどっ!それってずっと回ってこない可能性あるじゃん!」

可能性もなにも、ネクが譲らなければずっと順番は来ないだろう。

その予想が外れないだろうという確信があるため、ネクは苦笑した。




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