星の煌き

□時代遅れ?
1ページ/3ページ

1月1日。

元旦と言われるその日、ほとんどの店は休業している。


渋谷、キャットストリートにあるカフェ、ワイルドキャット。



そこのドアノブには「CLOSE」という看板が掛かっている。

だが中は騒がしかった。





「ったく、この分有料だぞ」

苦い顔をする羽狛。

「いいじゃないのサナエちゃん。出世払いでさ。……ネク君がね」

「俺かよ!」

ヨシュアのセリフにネクが突っ込んだ。

「……俺、収入少ないんだぞ」

「そうなの!?」

驚くシキ。

「ああ。バイトか株が主な収入源だからな。……不景気が辛い」

遠い目をするネク。

それだけで苦労が忍ばれた。

「……ネク君も苦労してるんだね」

ライムはビィトを見た。

「ん?どうしたライム」

「……ハァ」

溜め息をつくが、その真意をビィトは理解できなかった。

「あれ?でもネク一応中学生じゃバイトは……」

「勉強しなくてもテストの点は取れるからな。年齢はごまかしてる」

「……ネクいいな。頭良くて。私、全然ダメだから……」

「……なら、教えてやろうか?」

弾かれたようにシキはネクを見た。

「え、でも……」

「それくらいの時間は取れるさ」

「ネク……」

ヨシュアは横でつまらなさそうな顔をする。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ