星の煌き
□学生は大変
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1月の第3週。
例年この時期から関東でも雪が降りやすくなる。
それは丁度センター試験というものと重なるのだが……。
まだ高校3年生でない昶達は翌日の新聞を見るだけで済んでいる。
「なぁ、昶はセンター試験の問題解いたか?」
5時間目の授業中、当然の如くサボッた昶、賢吾、ネクの3人。
昶は賢吾の突然の話題に顔を嫌な顔をした
「はあ?勉強の話なんか持ち込みやがって」
「だって俺らもうすぐ高3だぜ?嫌でも大学のこと考えさせられるのによ」
「昶には必要ないんじゃないか?」
ネクが苦笑した。
「んじゃさ、そういうネクは?」
「一応目を通した程度だな」
「何だよ、真面目にやったの俺だけかよ!俺も姉ちゃんがうるさくてやったんだけどよぉ……」
「センター試験、ですか?」
「白銀、知らないのか?センター試験っていうのは……」
ネクが説明すると、白銀はまじまじと昶を見た。
「……なるほど。昶君がやらないわけですね」
「どういう意味だ」
昶は白銀を睨むが、白銀はいつもの胡散臭い笑みを浮かべるだけ。
「大学、か……」
ふとネクは空を見上げた。
この寒空の下、ずっと屋上にいるのは堪えるが、今はその寒さが心地よい。
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