空に消える夢

□望んだ生活
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精霊にとって2、3年なんてあっという間だ。

だがエミルにとってはその時間すら惜しい。

それに、いくら精霊とはいえ2年もの間人間として生活していたのだ。



確かに精霊なのは知っているが、だからといって人間だと思いこんでいたときの生活をやめられるわけでもなかった。








エミルが起きたのはすでに日が昇っている時間帯だった。

キッチンからは朝食の匂いが漂っている。

昨日まで魔物との契約のため各地を回っていたのだ。

今日1日は休むと決めてルインに帰ってきたのだが……。

「うわ……寝坊しちゃった……」

久しぶりにベッドで寝て爆睡してしまったらしい。

慌ててエミルは着替え、ダイニングに降りる。

「お早うございます……」

「お早うエミル!」

ダイニングにやって来たエミルに抱きついたのはここにいるはずのないマルタだった。




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