空に消える夢

□氷に包まれる嘘
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両親が死んだ。

育ててくれた祖父も亡くなった。

近所に住んでいたベネッツ家に引き取られてから10年近くが経とうとしていた。


この地はバルカから遠く離れている。

だから王都の情報は入りにくい。

だが、それはこちらの情報も入りにくいということだった。










深呼吸をする。


薄く閉じていた目をゆっくりと開いていった。



己の中に力が流動しているのを意識する。



それを思いのままに操るのは幼い頃からの練習。


万が一にでもこの力を暴走させないように。




そして、この力を抑える。




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