Event

□T
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鬱蒼とした森の中をしばらく走り、車を駐車場に停めた。

「静かだ…。」

濃霧の中、辺りを見回す。
何も見えない。
他に車が停まっている様子もない。

昔の記憶と感。
それを頼りに、森の中の一本道をしばらく歩いたところで、切り開いた場所に出た。

辺りを見回し歩いていると、足元に重い音が当たり、下をみる。
前をよく見れば、石が沢山立っていた。

「お墓?」

濃い霧の中の墓地は、雰囲気が何とも言えない。

ふと前を観ると、お墓の前に女性がいた。

「ねぇ。」

「誰ですか!?」

その女性は驚いたらしく、後ろに後ずさった。
パーカーに、スカート。
なんとも簡単な服装だ。

「ご、ごめんなさいです。あの私、私、その」

「驚かす気はなかった。道を聞きたかったんだ。」

「いえ、こちらこそごめんなさいです。どちらへ行かれるんですか?」

「あぁ、並盛へ行く道は、ここであっているかい?」

彼女に地図を差し出した。

「え?はい。霧が出ていますが、道は一本しかないので。多分迷わないと思います。」

「ありがとう。」

軽く礼を行って、再び並盛を目指そうと墓地から出ようとした。

「でも。」

彼女は、続けた。

「何?」

彼女の顔が曇り、並盛があるほうへ向いた。

「あの、並盛はなんて言えば良いんでしょう、上手く説明できませんが、兎に角デンジャラスなんです!!だから辞めたほうが良いです!!んて言ったらいいのか…。」

「危険なのか?」

「多分、霧だけじゃなくてその、


「分かった。気を付けるよ。」

「私、嘘ついてないです!!」

「信じてないわけじゃない。ただ、僕にとってどっちでもいいんだ。嘘でも本当でも。僕はあの町に行く。」

「なんでです?」

「人探し…だね。」

「誰です?」

「…大切な人だよ。また会えるなら、何があっても会いに行く…。」

「私もママ…母を探しに来たんです。まだ見つけられてないんですけど。もう何年も会っていないんです…。この場所にいると思っていた父と兄も見当たりませんし…。ごめんなさいです、あなたには関係ないことなのに。」

「いや、見つかるといいね。」

「あなたも。」

「じゃあ、僕は行くよ。」

彼女と別れて、先の道を走った。
早く、早く彼女に会いたい。
抱き締めたい。


























































そして謝りたい。






始まりました!!
静岡2パロ!!!!
こちらは、さよの記憶と妄想で作られております。
なので、話が大分変わるかも。
静岡2は、泣けました。


20090123(0509) Sayo.T
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