Event

□T
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簡単なバックに、あの手紙と昔旅行で貰った地図を入れて、思い出の場所へ向かおうと、キーをとった。

彼女はいないと分かっているのに。

こんなバカな話、あるわけがない。

ありえるわけがない。

わかっているつもりだ。

死んだ人間から手紙が来る訳がない。

そう、綱吉は3年前に病気で死んでいる。

ただ、それでも僕は綱吉に会いに来た。

あの思い出の場所、それはどこなのだろう?

この町には思い出が多すぎる。

第一に思い出すのは、湖畔のあの公園。

何をするでもなく一日中湖を二人でただ眺めていた。
綱吉はそこにいるのだろうか?

本当に僕を待っていてくれてるだろうか?

彼女はいないと分かっているのに…。

でも何故だろう、行かなければならないんだ。

キーを指し、車を発進させた。

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