Boy

□ケーキバイキング
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「…ケーキ。」

いつの間にか赤かった空は暗くなっていて、月と星空がきらきらと輝いていた。
結局、最後までシてしまい腰を痛めた綱吉をおぶって外灯の下を雲雀は歩いていた。

食べかけのケーキは、色んな意味で使われ食べれなかったのだ。

綱吉は、悲しかったのか、泣き腫らした赤い目で『ケーキ』と言う単語をずっと繰り返した。

「ごめん。」

「いいですよ。」

同じ言葉のやりとり。
ふんっ!!と、そっぽを向きながら綱吉は頬をぷーっと膨らました。

「今度、またケーキ買ってくるから。」

「…沢山食べたいです。」

ぎゅっと、綱吉は雲雀の首に回していた手に力をこめた。

「好きなだけ食べさせてあげる。」

首を回して、自分の方に向いていた綱吉にちゅっと触れるだけのキスをする。

「はい、約束ですよ!!」







そんな約束をした夜。
星達は、それを見守るようにキラキラと相変わらず輝いていた。











「思い出した?」

「…はい。」

深々と腰を90度に曲げた人達が案内して、テーブルの上に大量のケーキを置いていった。

たくさんの種類がある。

ミルフィーユにレアチーズケーキ、ガトーショコラにモンブラン、苺のショートケーキ…。

綱吉は、ちゅーっと冷たいオレンジジュースをストローで吸いながら、ケーキを見てふと思ったこと。

ラ・ナミモリーヌは、確かケーキバイキングなんかなかったような…と考えた。


「これ、今月のショバ代でいいよ。」

どうどうと偉そうにこの店のオーナーに言っていた雲雀。

ですよねー。

と心の中で綱吉は頷いて納得した。

「よしっ!!」

と気合いを入れて、フォークを持っていざ出陣!!













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