Boy

□ケーキバイキング
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放送で玄関に呼び出されてみれば、目の前には雲雀さん愛用のバイク。

投げるようにヘルメットを投げられて綱吉は慌てて取った。

慌てて頭に付けて、またがって待っていた彼の背中に手を回せばすぐにエンジンを付け、走りだした。

エンジン音が五月蠅いから、話しても聞こえづらいと思って綱吉は口を閉ざしたまま。

流れゆく景色はいつもの通学路。

思ったより案外早く止まって周りを見渡せば、良く行くラ・ナミモリーヌ…ケーキ屋の前だった。

そして冒頭の部分にいたる。



「ケーキ屋だよ。」

見て分からないの?という目で見られた。

「そりゃぁ分かります。」

だから、なんでここにいるんでしょう?
と続ければ、雲雀は口の端を上げてくつくつと笑った。

「だって、ケーキ沢山食べたいって言っていたじゃない。」

思い出すのは、雲雀と二人でお茶をしていた赤く染まった光が差し込む応接室。

温かい紅茶に美味しいケーキ。

綱吉は、大きな口を開けてパクパクと食べていた。

「やっぱケーキは美味しいですね。」

甘いの大好きです。
と、笑顔でもぐもぐと口を動かしていた。

「綱吉も甘いよ。」

ごほっごほっ

雲雀の言葉に反応し、綱吉は咳き込んだ。

びっくりして普段は細目な目を、大きくして彼を見れば、綱吉の顔は真っ赤。

まるで、外の夕焼けのような色で。

「綱吉、顔真っ赤。夕焼けみたい。」

と、雲雀は笑った。

「ーっ!!」

不意打ちです、雲雀さん。

と心の中で思ったものの、なんとなく負けた気がして言えなかった。

だから、口に苺と生クリームをふんだんに詰め込んで、笑っていた雲雀の口に、綱吉の口をつけ流し込んだ。

笑っていたから口が少し開いていて、そこに舌を入れ流し込む。

最初、雲雀は驚いたのか目を見開いたが、お互いの舌を絡めるうちに、にやりと笑って綱吉を押し倒した。
綱吉が上だったのにいつの間にか下。

「…んっ…ふぁっ…。」

あーケーキが…と思いながら、綱吉の意識は雲雀に集中した。












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