Boy
□『十年前に来てしまった綱吉君』
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煙がなくなって状況確認をしようと、周りを見回したらなんとなく見覚えがある教室だった。
そして、見覚えのある制服。
皆、俺を見ていた。
さっきみた煙と今いる場所から考えてここは、十年前の並中であることを判断した。
「ここは‥並中だよね?」
俺は多少驚きながら、たぶん日本だからと日本語で呟いた。
隣の男の子が、目を見開きながら俺を見いている。
毎日顔を見ていて変化とか余り気付かなかったけど、やっぱりまだ幼い顔立ちだ。
「あれー隼人?」
そう呼ばれた彼は、やっぱり驚いていて今にも椅子から落ちそうな態勢で停止していた。
「もしかして、十代目ですか?」
「うん。分からないかなー。そんな変わってないと思うけど?」
俺は、伸びた長い髪を指にくるくると絡めながら疑問に思い首を傾げた。
十年殆ど仕事で隼人と一緒にいたのだ、そんな変化はお互い分からない。
「えっ、あぁ‥変わりましたよ十代目!!なんか‥カッコイイっす。」
そう言って椅子に座りなおし頭を下げて挨拶をした。
その時、窓から気配がして咄嗟に構えた。
黒い小さい影が窓から入ってきて肩に乗る。
「ツナ、俺だ。ここじゃ、やべぇ。屋上行くぞ。」
「あっ、リボーン。そうだねー。隼人行こう!!武も!!」
急に話を振られ驚いた山本。
彼は今だに理解出来てないらしい。
「あ‥あぁ。」
「じゃあ、先生。少し二人借りまーす。失礼しましたー。」
未だ状況を把握していない先生に断って教室を出た。
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