Boy

□『短編集』
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『近すぎた距離』



君は何処へ行くの?


さぁ…分からない。


じゃあ、なんで君はここにいるの?


分からない、いつの間にかここにいたんだ。


そうなんだ…。
じゃあ、教えてあげるよ。
ここは…‥‥













「…綱吉?」


とても月が綺麗な夜。
そして、誰もいない寝室。

既に物と化した人間が横たわっていた。
頭からは血が流れ出ていて、端の方は黒くなっている。

それは時間の経過が、大分経っていることを意味していて…。

彼の恋人が、部屋をノックしても返事が無いから、ドアを開けて発見した。

愛しい恋人が、変わり果てた姿になっているところを。

「ねぇ…つなよし?」

ゆさゆさと、彼を揺すっても返事はなくて。

声の代わりに沈黙が返ってくる。

すでに彼は、冷たくて今まで暖かかった体が嘘のようだ。

「返事をして、綱吉。」

「雲雀。」

一人だった部屋に、別の声が聞こえた。
でも、期待していた声ではなく、彼よりずっと、ずっと低い声だった。

「赤ん坊。」

雲雀の肩に、リボーンの手が置かれて、リボーンはふるふると首を振る。

それは、否定を意味していた。

そう、生命の。

月夜に照らされた死神は、まるで本物の死神の様で。


「綱吉を、連れていかないで…。」

既に連れて行かれた彼に、手を伸ばしても、もう遅い。

「遅かった…。」

静かな夜は、まだ始まったばかり。











そうなんだ。
分かったよ、ありがとう。


どうして?


何が?


どうして礼を言うの?


だって教えてくれたじゃないか。


僕は、愛されていた君を連れていくんだよ。


知ってる。


なら。


僕達は近すぎたんだ。
だから、暫く遠くに…遠くにいたほうがいいんだよ…。


(…雲雀さん)


よく分からない。


分からなくていいんだよ。
じゃあ、また長い道程を歩こうか…死神さん。


うん。















ふっと思いついたもの。
だから、毎度ながら乱文だよ。
ちなみに人は死ぬと、物になります。
雲雀は綱吉を溺愛しすぎちゃったんだよ的な感じ。
多分無意識のうちに雲雀は綱吉を殺しちゃったんだと思う。
だけど、話が矛盾するからまぁ誰かに暗殺されたみたいな?

20081208(20090327) Sayo.T
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