Boy

□『短編集』
5ページ/8ページ


『解けない問題』





「…君は…君はそれでいいのかい、綱吉。」

「…しょうがないんです。」

カコンっと、獅子嚇しの音が響く。
そこに向かい合っている二人。
互いに着物を着ていて、盃に入った日本酒を飲みながら話し合っている。

一見、昔話をしながら…にみえる。

まぁ、話の内容を聞いてからではそんな、和やかな雰囲気ではないが…。


「でもっ!!」

「分かってる、正一や雲雀さんの言いたいこと…。」

首を振り、手に持っていた盃をぐぃっ。と飲み干す。

「でも、しょうがないんだ。ずっと、ずっと考えていた。」

仕事中も。
会議中も。
プライベート中も。

ずっと、ずっと考えていた。

そして、長い長い時間をかけてやっと、出した答え。

今さら、出た答えなんか変えられない。

一生考えたって、答えなんか出やしないけど…。


俺は、自分の直感を信じる。

「…綱吉…。」

「なんですか?雲雀さん。」

雲雀は自分の着物の裾をぎゅっ。と掴む。

一番聞きたくなくて、一番聞きたいことを聞くために、雲雀は重い口を開いた。


「それでも、それでも彼らは強くならなかったら?」

沢田は、雲雀の目から反らし、目線を下にした。

「信じましょう、過去の俺達を。」

俺は信じてます。

過去の自分に、なんて言われるか分かっているけど、賭けるしかない。

「…綱吉。ぼ…」
「雲雀さん、明日俺は早いので就寝します。」

では、とにこりと笑い沢田は立ち上がり、障子をからからと引いて、外へ出ていった。

「僕だって、信じたいんだよ…。」

過去の僕達を…。

「さて、1人で語るのを止めようか…まるで、誰かに話したかったみたいじゃないか。」

雲雀は、持っていた盃を起き、隣の部屋に行き敷いてあった布団に潜り、灯っていた蝋燭を消した。













後書き

ジャンプをみて、ピーンときて発作的に書いたもの。
次回のジャンプまでに、書こう書こうと思い頑張って書いたんだよ。

まぁ、これをUPするのはいつになることやら。


20081127(20090309) Sayo.T
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ