Boy
□『十年後に来てしまった綱吉くん。』
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気が付いた俺は何故か会議室みたいなところに立っていて、目の前には黒スーツを着た人たちが沢山いた。
まるで、会議かなんか開いているみたいな雰囲気だった。
いや、雰囲気ではなく会議を開いていたんだ。
現に机には資料が置いてある。
まぁ‥イタリア語で読めないけど‥。
会議室にいる人達は、俺をまるで珍しいものでも見たような目で見てきた。
俺だって、ただ驚くしかなかった。
とにかく、今自分に出来る事を考えても何も思い浮かばなくて、ただただ苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
早く5分経って欲しいと願いながら‥
「十代目?」
静まり返った会議室で沈黙を破ったのは、隣にいた人で‥なんとなく面影があるような‥ないような‥。
でも俺をこの呼び方で呼ぶ人は一人しかいない。
「ご‥獄寺君?」
そう、俺は呼んだ。
何故か妙な自信があった。
「はいっ!!十年前の十代目っすよね?」
そう十年後の獄寺君は、笑顔で言った。
黒スーツ‥マフィアの服装以外、背も伸びていて顔も整い俗に言う良い男だ。
「十年後の獄寺君も相変わらず恰好良いね。」
思ったことをそのまま言ったら頭を下げて礼を言ってきた。
「十代目程じゃないっす!!」
「程じゃないって‥というかここって十年後だよね?」
俺は、再度辺りを見渡して知っている場所ではないと確認した。
まだ、目の前にいる人達は俺を見ている。
「そうだぜ?ツナ。」
獄寺君と反対の隣から、同じように見覚えがあるような人が話し掛けてきた。
「山本っ!?でっかい!!」
「ツナはちっちぇーのな。」
そう山本は笑って俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ははは‥なんか邪魔したよね。ランボが、10年バズーカを誤射しちゃって、俺に当たっちゃったんだよ。」
「十年前の俺が失礼しました。」
そう言いながら、いつも通りの十年後のランボが、俺に謝ってきた。
「ランボ!!」
「お久しぶりです。若きボンゴレ。こちら出会うのは初めてですね。」
「ランボのせいで授業が台無しになっちゃったよ。」
俺は、苦笑いをして肩を竦めた。
「すいません。」
「たぶん大丈夫。というか、会議方が大丈夫なの?」
「大丈夫です。気にしないでください。紹介させてください!!皆、この御方が十年前の十代目だ!!」
そう獄寺君が紹介した途端、一斉に歓声が沸き上がった。
歓声が沸き上がるほど凄いのか?と突っ込みたくなったのは心の中に閉まっておこう。
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