Boy

□『十年前に来てしまった綱吉君』
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ある春の午後、俺は今日の会議のために資料の準備をしていた。


慣れないイタリア語を一生懸命勉強して、やっと日本語と同じように慣れてきた。


完成したのち、コピーさせるために隼人を呼んだ。

相変わらず、すぐにきてくれて頼むと良い返事をして、快く引き受けてくれた。

一通りの仕事が終わったのち、ソファに横になり、春の暖かさで眠気を誘われる。

ここで、目を閉じてはいけないと思いブレザーを羽織り、早めに会議室に向かった。


会議室には大体の部下が集まっていて、俺が入ってきたら席を立ち挨拶をそれぞれ始めた。

それを返し、幹部用の席に座り守護者達に簡単に挨拶をする。

隼人に頼んであったプリントは、既に出来ていて綺麗にホチキスで止めてある。

パラパラと資料を捲った時、丁度会議が始まる時間になった。



「これから、会議を始めます。まず、今回は十代目が説明を行います。十代目、お願いします。」


隼人がそう言い、俺は席を立ち、説明を始めた。


「はい、まずフランツェファミリーがここ最近‥」


と話していたとき、急に白い煙に身を包まれた。

皆、目が点になって叫んでいたのを冷静に見ている俺。

この煙は、昔日常茶飯事に見ていたなーと思いながら―‥









『十年前に来てしまった綱吉くん』








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