Boy

□『十年後に来てしまった綱吉くん。』
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ある春の日の午後。



教室で授業を受けていた。



「‥であるからにて‥XとYの関係は‥」


先生のお経のような声が、耳を通って出ていく‥。

こんな春だから勿論日差しもぽかぽかで、眠気を誘う。

窓際の席である俺は、窓の外を眺めていた。

一階であるこの教室からは、花壇が見えて花々が競い合って咲いている。


ふと、小さい物体が目に入った。


‥ランボにイーピン。

ここまで遊びにきたのかよ‥頼むからこっちに来るなよ。なんて願っていたのにもかかわらず、ランボが俺のことを見つけて走ってきた。

あいつはなんて目がいいんだろう、なんて突っ込むのも、春の陽気で失せてしまう。


イーピンが気が付いたらしく、ランボを止めようとしたが勿論聞く筈もなくこっちへ突進してくる。


あぁ、こいつの所為で授業が受けられないな。なんて思いながらこれからの出来事を予想していた。


ランボが、もうすぐで、窓に到達するところで家庭教師がふらりと現われた。


‥機嫌が悪そうな家庭教師は、ランボの事をハンマーで殴る。


『ぴぎゃっ!!』


窓の外で変な声がしたのだから、皆窓を一斉に見た。

しかし、影に隠れて運良く二人とも見えなかった。

空耳かと思ったらしいクラスメイトは、少し騒ついた後、また授業の方に集中しはじめた。

その集中力を分けて欲しいもんだ、なんて思っていることはいつもである。


家庭教師は家庭教師で、殴ったらすっきりしたらしく元の学校内の住みかに戻っていった。

相変わらず、理不尽だなぁーなんて思いながら心の中で突っ込む。



殴られたランボは泣きながら、十年バズーカを取り出して使おうと撃った。

‥いや、何故かランボに向けた筈のバズーカがこっちへ向いていた。

やばい、逃げなきゃ。なんて思っても、もう遅くて大きな音を立てて窓を突き破り、俺に十年バズーカが当たってしまった。

痛みはない、ただ引っ張られるような感じがしただけだった。















『十年後に来てしまった綱吉君。』













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