長編小説
□第一章
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所変わってここは、大臣家が所持している別邸。“誰にも邪魔されずに研究をしたい”というブルーの希望により与えられた自宅兼、研究所。
女の子らしさあふれながらも、どこか落ち着きのある一室にブルーとレッドの二人がいた。
急に訪ねて来たレッドを特に追い出すことなく、逆に丁重に迎えられた時は、不信感に思った。
出された紅茶に手をつけず、終止無言の二人だったっが、ぽつりとレッドが呟く。
「結婚するのか……?」
レッドの質問に一瞬手を止めるも、またすぐにお茶を飲む。
「するわよ。」
迷いもなにもないはっきりとした答えに、レッドはたった一言“そうか”っと言った。
意外な答えに驚いたブルーは目を丸くする。
「意外にあっさりしているわね。」
「怒鳴り込むとでも思ったのか?」
苦笑しながら、お茶を飲むレッドにブルーはコクンと頷く。
「だってあなた、意外にも私の気持ち知ってるじゃない。普通、反対するものでしょ?」
「確かに反対するよ。でもな…決めたのはお前だから。
頑固なお前になに言っても無駄だからな。」
「うふふふ。よく分かってるじゃない。」
緊張した雰囲気が少し緩くなったのを感じると、二人は少し微笑む。
そうして二人は、全く関係のない自分の身の回りで起こった出来事をおもしろおかしく話しながら過ごした。