短編小説
□花火大会
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「ママ。サファイアの準備できた?」
「もう少しだから、待ってなさい。」
もうすぐ始まるのに…
時計を見て、ルビーはそう呟いた。
今日は花火大会だ。
夏の初めを告げるかのように行われるこの地元の行事には、多くの人間が楽しみにしていた。
もちろんそれは、サファイアも例外でなく、この日が近づくと毎日のようにカレンダーを眺めては今か今かと待ちわびていた。
そんな彼女を見ていたルビーは、ふとあることを思いつき、なにかを作り始めた。
それは…
「出来たわよ。」
その声を合図に、ルビーはドアを開けた。