Story
□その分だけ
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つながってる。
解ってる、解ってるよ。
:::その分だけ:::
ガッシャンッッッ
また口論だ。
イライラした僕は机を派手に叩いて立ち上がる。
そんなんじゃ竜崎はちょっともビビらないのは解ってるけどさ。
「どうしてお前はそう偏屈なんだ!もっと視野を広げて考えろよ!」
「広げてます。広げて一生懸命考えてそれでも行き詰まった、だからどうしようもないんじゃないですか」
「どうしようもないって何だよ!」
余裕ないくせに、平気な顔で飄々と言ってのける竜崎が頭に来る。
最近の竜崎は本当にやる気がない。
すでに諦めモードな所も頭に来る。
僕はふてくされた様な感じでため息をつく竜崎の服を掴んで無理矢理立たせた。
「乱暴です、最近の月君は」
「頭に来るよ、最近の竜崎は」
「…しょうがないじゃないですか、力抜けちゃったんですから」
バキッ!
イライラが頂点に達した僕は、竜崎の顔を横から思いっきり殴った。
もう容赦ない力で。
殴る直前、竜崎が何か言ったように感じたけど、一瞬のことだったから判らなかった。
その瞬間だった。