Story


□待ってる
1ページ/5ページ


喧嘩した。

大嫌いだって言ってやった。

もう何が原因だったのかも…思い出せないほど激しい喧嘩だった。





:::待ってる:::






原因…

本当に何だったんだろう。

今はもう頭がぼうっとして思い出せない。

思い出したくもない。

あんなやつの考えてる事なんか解るもんか。

大嫌いだ。

大嫌いだ。

大嫌いだ…



口論だけじゃ済まなかった。

殴り合いになって、あわてて松田さんたちにとめられた。

片側の頬がひりひりする。

体もあっちこっち痛い。

竜崎だって同じだろう。



喧嘩してから一言も口を聞かなかった。

用があるときは松田さんを通して伝えた。

竜崎ときたら甘い物も一切口にせず、ただ黙々と画面に向かっている。

それがまた腹立たしかった。



僕たちの喧嘩のせいで険悪な空気が漂い、捜査を進めるみんなは気まずかったに違いない。

どっちかが謝れば済むことだけど…

絶対僕からは謝りたくない。

もちろん竜崎から謝られたら許すつもりだよ?

だけど僕からは絶対嫌だ。





そんな空気のまま、夜になった。

みんなはやれやれという感じで、仕事を切り上げた。

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ