Story
□待ってる
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喧嘩した。
大嫌いだって言ってやった。
もう何が原因だったのかも…思い出せないほど激しい喧嘩だった。
:::待ってる:::
原因…
本当に何だったんだろう。
今はもう頭がぼうっとして思い出せない。
思い出したくもない。
あんなやつの考えてる事なんか解るもんか。
大嫌いだ。
大嫌いだ。
大嫌いだ…
口論だけじゃ済まなかった。
殴り合いになって、あわてて松田さんたちにとめられた。
片側の頬がひりひりする。
体もあっちこっち痛い。
竜崎だって同じだろう。
喧嘩してから一言も口を聞かなかった。
用があるときは松田さんを通して伝えた。
竜崎ときたら甘い物も一切口にせず、ただ黙々と画面に向かっている。
それがまた腹立たしかった。
僕たちの喧嘩のせいで険悪な空気が漂い、捜査を進めるみんなは気まずかったに違いない。
どっちかが謝れば済むことだけど…
絶対僕からは謝りたくない。
もちろん竜崎から謝られたら許すつもりだよ?
だけど僕からは絶対嫌だ。
そんな空気のまま、夜になった。
みんなはやれやれという感じで、仕事を切り上げた。