Story
□チョコひとつ
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聖ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰ
:::チョコひとつ:::
「月君、今日は何かあるんですか？」
「うん？」
目の前の小さな箱をその真っ黒な目で見ながら、Ｌは月に聞いた。
その箱は…
ちょっと前にミサが置いて行ったものだった。
白いｶｰﾄﾞにﾋﾟﾝｸの字で『竜崎へ』と書いてある。
月はＬを振り返りながら、
「今日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝだからね。僕ももらったよ」
と言った。
「ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ…ですか」
なるほど、と納得したようなＬを見て、月は仕事に戻る。
…が、次の一言でまた引き戻された。
「じゃあ、月君も私にくれないと」
「…はぁ!?……どうして」
「今日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝですよ？」
「だからなんで僕が竜崎にあげないといけないんだよ」
するとＬは椅子に乗ったまま、月の近くまで迫った。