Story
□暗闇のなか
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初めて会ったときから思っていたけど…
竜崎は充分な睡眠をとっていないんだろうか。
:::暗闇のなか:::
「…ねぇ、竜崎」
「はい?」
「前から気になってたこと聞いていい?」
「月君の頼みならなんでも聞きますよ」
「いや、頼みじゃないから」
早くも話がずれそうになるのを堪える。
僕はパソコンから目を離すと、竜崎のほうを向いて言った。
「お前さ、夜寝てないの?」
「いえ、寝てますよ」
「じゃあその隈は?」
「さぁ…」
さぁ…って。
寝てたら隈は出来ないんだよ、竜崎。
「何時間寝てるんだ?」
「数えたことありません」
「…言っとくけど、仮眠は寝たことにならないからな」
「ならないんですか?」
「ちゃんと寝たことにはならないよ」
…やっぱり寝てないんだ。
そりゃそうか。
あんなくっきり隈が出来てるんだからな…