Story
□ごめんね
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「お茶にしようよ、竜崎」
みんなが出掛けてふたりになったとき、月がふいにそう言った。
Lは椅子に乗ったままくるりと一回まわって、
「…そうしましょう」
と言った。
:::ごめんね:::
テーブルに2つ紅茶を並べて、向かい合って座る。
Lの方にはもちろん、ケーキがひとつ。
紅茶に角砂糖を次々に入れ、甘いケーキを嬉しそうに食べるLを、月は微笑ましい顔をして見ている。
まるで小さい子でも見ているような感じで。
「おいしい?」
「はい」
Lは言いながら、またケーキを口に運んだ。
月はそう、と言って、穏やかな表情で紅茶を含んだ。
ケーキの上に、凝った砂糖菓子が乗っていた。
Lは後で食べるつもりで、それをそっとつまんでケーキから降ろした。
その仕草も小さい子の様で、月から見れば本当に可愛い。
そんなLを見ているうち…
月は意地悪したくなった。