Story
□暗闇のなか
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「ちゃんと寝たほうがいいよ」
「どうしてですか?」
「お前は単に眠くならないから寝ないんだろうけど、体に悪いんだぞ」
「頭に悪くなければ結構です」
「そういう問題じゃないだろ。甘いものしか食べない時点で体に悪いのに」
「……寝てると…時間がもったいない様に感じて」
「竜崎の体だけ酷使して捜査しなくても、他にも人はたくさんいるんだから」
竜崎は難しい顔をして考えている。
あのねぇ竜崎。
僕は心配して言ってるんだよ?
「今日からでいいから、夜はちゃんと寝ろ」
「……でも…」
「僕の頼みならなんでも聞くんじゃなかったのか?」
その一言で、竜崎は観念した様だった。
「…わかりました。そうします。」
「うん。…寝れないとかじゃないんだろ?」
「えぇ、違います」
正直に言うと、その隈がなかったら竜崎は結構端正な顔立ちになる。
…こんな理由じゃ納得しないだろうから言わなかったけど。
その夜、竜崎はベッドに入った状態でなかなか目を閉じなかった。