Story
□ごめんね
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ちょっと可哀想かな…と思いながらも…
どんな顔するのかを見てみたくて…
月はケーキの皿に手を伸ばし、その砂糖菓子をぱくッと食べてしまった。
小さいものだったので一口。
あっという間に溶けて、月の中に消えてしまった。
元々甘いものが苦手な月は、後味に少し後悔…
すぐに紅茶を飲む。
そして口直しをした月が前のLを見てみると…
「ら……いと…君……」
Lはフォークを持ったまま、ケーキを見て固まっていた。
よっぽど食べたかったんだろうか、
…ちょっと悲しそう。
「僕がもらっちゃった」
「…えぇ、月君もたまには甘いものを食べたほうが良いと思ってました」
いつもの様に冷静な口調で返してくる。
…が
なぁんだ、と月がちょっとつまらなそうにティーカップを持った時、Lが下を向いてしまった。
「…竜崎?」
「…けど……酷いです…」
「…え?」
「あんまりですよ、月君…」
そして腕に顔を埋めて黙ってしまった。
Lの体は小さく震えていた。