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□オーダーメイド
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きっと僕は尋ねられたんだろう
生まれる前 どこかの誰かに
「未来と過去 どちらか一つを
見れるようにしてあげるからさ
どっちがいい? どっちがいい?」

そして僕は過去を選んだんだろう
強い人より優しい人になれるように
なれますようにと
"想い出"って何だか分かるように

続けて 誰かさんは僕に言う
「腕も 脚も 口も 耳も 眼も
心臓も おっぱいも 鼻の穴も
二つずつ つけてあげるからね
いいでしょう? いいでしょう?」

だけど僕は お願いしたんだよ
「口は一つだけで いいです」と
僕が一人で喧嘩しないように
一人とだけキスが出来るように

忘れたい でも忘れない
こんな想いを何と呼ぶのかい?


少し不機嫌な顔の その人は
また仕方なく話始めた
「一番大事な心臓はさ両胸に
付けてあげるからね
いいでしょう? いいでしょう?」

またまた僕はお願いしたんだ
「恐れ入りますが この僕には
右側の心臓は 要りません
我が儘ばかり言って すいません」

僕に大切な人が出来て
その娘 抱き締める時初めて
二つの鼓動が ちゃんと胸の
両側で鳴るのが分かるように

左は僕ので 右は君の
左は君ので 右は僕の
一人じゃ どこか欠けてるように
一人でなど生きてかないように

忘れたい でも忘れない
こんな想いを何と呼ぶのかい?
胸が騒がしい でも懐かしい
こんな想いを何と呼ぶのかい?


「そういえば最後に もう一つだけ
涙もオプションで付けようか?
無くても全然支障はないけど
面倒だからって付けない人も居るよ
どうする? どうする?」

そして僕は お願いしたんだよ
強い人より優しい人になれるように
なれますようにと
"大切"って何だか分かるように

「じゃあ ちなみに涙の味だけども
君の好きな味を選んでよ
酸っぱくしたり 塩っぱくしたり
辛くしたり 甘くしたり
どれでも好きなのを選んでよ
どれがいい? どれがいい?」

「望み通り 全てが
叶えられているでしょう?
だから涙に暮れる
その顔は ちゃんと見せてよ
さぁ誇らしげに見せてよ」


「本当にありがとうございました
色々と お手数かけました
最後に一つだけ いいですか?」

「どっかでお逢いした事ありますか?」
 
 

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