はなちゃん2

□初めてのお使い
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「いらっしゃい」

中から出てきたのは
目尻の皺がとっても素敵なおばあさんだった。
嘘だった。

たいして何処も素敵ではないが
演歌が上手そうだな、と思ったのは事実。

「ビオ君いますか?」

「ちょいおまち。チェル様ー!」

…チェル?
誰よチェル様?

しばらく待っているとビオが出てきた。

「こんにちは!わざわざありがとう!」

「うん…チェル様って誰?」

「僕の名前だよ。チェル・S・ビオ」

へぇー…と感動のない言葉が聞こえるが、
ビオは無視した。

「あ、ちょっと待ってて!」

ジョンファンよりも
頭二分の一個くらい大きいビオが走っていく姿は、
結構頼もしく見える。

同じ背丈なのに
この間のマラソンでKPLBが走る姿は
なんだか内股に感じた。

「はい、これ」

ビオは「お土産だよ」といいながら
紙袋を一番前にいたエイムに渡した。

「ありがとービオ!」

「ありマス!」

「ありがと」

「どういたしまして!じゃ、また明日ね!」

マジでいい奴だな、ビオ。
そう思いながら三人はでかい洋館を出た。

洋館を出てしばらくしてから
エイムが袋の中を見ると、
白い箱が入っていた。

三人は顔を見合わせ、
ジョンファンが代表して箱を開けた。

別に煙が出ておじいさんになるわけでもなく、
高級料亭のツナサラダが入っているわけでもなかった。

ただ、それは入っていた。
エイムはイタチネズミを見る。

「…イタチネズミ。これは何?」

「………………どぅっ」

「なんで笑うの?はなちゃん」

「え?今の笑ったマスか?」

取りあえず三人とも
入っていたものを取り出し、口にくわえた。

夕日の傾いた道を
長い影を伸ばして歩いていく。

「いいこと、したマスよね?」

味気のない鰹節だった。










後書き
ゆるゆるー…。
文句は聞きません(笑)
2008/05/31
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